クーリングオフ制度・対象・期間


クーリングオフ制度とは、訪問販売や電話勧誘販売等の法律で規制されている契約において、期間内であれば消費者は販売業者に対し、書面によって、無条件で申込みの撤回や契約の解除ができる制度です。

契約というものは締結した以上、お互いに履行しなければならないのが原則です。しかし、理性的な判断を下すことができない状況下で契約が締結されることもあります。
このような事態から消費者を保護するために法律によって定められているもの、その中の1つであり最も重要なものがクーリングオフです。(よく間違えられるのですが、クリーニングオフではありません。)

このとき、原則として損害賠償金や違約金を販売業者に支払う必要はありません。また、既に頭金や申込み金を支払っている場合は、その金額を返してもらえます。商品を受け取っている場合、その引き取りに必要な費用は、全て販売業者の負担となります。

クーリングオフの対象


クーリングオフできるのは、訪問販売や電話勧誘など、特定の契約に限られます。通常の店舗販売(スーパーやコンビニ、衣料品店など)での買い物はクーリングオフの対象外です。全ての契約がクーリングオフできるわけではなく、訪問販売や電話勧誘など、法で定められた特定の契約のみ対象となります。この点、注意が必要です。

特定商取引法における訪問販売、通信販売、電話勧誘販売に関する規定は、原則全ての商品・役務・権利について対象になります。
つまり、訪問販売や電話勧誘で商品を買ってしまった場合は、原則全ての商品が対象となります。
布団や浄水器はもちろんのこと、エステ契約やリフォーム工事といったサービスもその対象になっています。

但し、対象商品であっても、消耗品として定められている一部の商品については、使用した場合にクーリングオフができなくなりますので、注意してください。
なお、自動車は、クーリングオフの対象から除外されています。

クーリングオフの期間


クーリングオフできる契約は、訪問販売や電話勧誘など、法律で指定された契約に限られています。
また、それぞれについて期間が定められており、この期間内であれば無条件にクーリングオフできることになります。
注意すべきところは、契約の日から起算するのではなく、クーリングオフができることの書面の交付等の日から起算するということです。例えば、訪問販売の契約から1ヶ月が経過していても、まだクーリングオフできることを書面で知らされていなければ、日付がカウントされていないのでクーリングオフできる、となります。

悪質な業者の中には、クーリングオフ期間を偽ったり、「契約の日から起算するからもう遅い」等の嘘を言ってくることがあります。注意しましょう。

対象 期間 条件
訪問販売 法定の契約書面の交付日から
8日間
店舗外での指定商品・権利・役務の取引
(3000円未満の現金取引を除く)
但し、キャッチセールス、アポイント商法、催眠商法の場合は、店舗での契約でもクーリングオフできます。
電話勧誘販売 法定の契約書面の交付日から
8日間
指定商品・サービスは訪問販売と同じ
割賦販売 クーリングオフ制度の告知日から
8日間
店舗外での指定商品のクレジット契約
連鎖販売取引
(マルチ商法)
法定の契約書面の交付日
または商品を受け取った日の
どちらか遅い日から20日間
全ての商品・権利・役務
特定継続的役務 法定の契約書面の交付日から
8日間
(期間後でも中途解約が可能です)
エステ、語学教室、家庭教師、学習塾、
結婚情報サービス、パソコン教室の6業種
業務提供誘引販売
(内職商法)
法定の契約書面の交付日から
20日間
いわゆる在宅ワークの勧誘、無い職商法
海外先物取引 海外先物取引の基本契約締結の
翌日から14日間
事務所以外での取引で、指定市場・商品の売買注文
投資顧問契約 法定の契約書面を交付日から
10日間
投資顧問業者(許可業者)との契約
但し、清算義務あり
現物まがい商法 法定の契約書面の交付日から
14日間
特定商品・施設利用権の預託取引
宅地建物取引 クーリングオフ制度の告知日から
8日間
宅地建物取引業者が売り主である
宅地建物の売買で店舗外での取引
ゴルフ場会員契約 法定の契約書面の交付日から
8日間
金50万円以上のゴルフ会員権で、
オープン前の新規募集
生命保険契約 法定の契約書面の交付日
または申込みをした日の
どちらか遅い日から8日間
保険期間が1年以下の契約を除く
(医師の審査を受けた場合は適用されない)

クーリングオフできないケース


以下のような場合はクーリングオフできません。

  • クーリングオフの期間が過ぎてしまった場合
  • クーリングオフの対象(法律に定められている商品・サービス)ではない場合
  • 健康食品、化粧品及び履物等の消耗品を使用したり、一部を消費した場合
    (できる場合とできない場合があります)
  • 通常の店舗販売および通信販売
    (なお、店舗等での契約であっても、キャッチセールスやアポイントメントセールスに該当する場合はクーリングオフできます。
    また、連鎖取引販売や業務提供誘引販売、特定継続的役務等に該当する場合は、契約した場所に関わらずクーリングオフできます。
    展示会場での契約は、できる場合とできない場合があります。)
  • 3,000円未満の商品を受け取り、同時に代金を全額支払った場合
  • 事業者間の契約(個人事業主であっても、事業者として結んだ契約はクーリングオフできません。但し、一部のリース契約は可能です。)
  • 海外にいる人に対する契約
  • 他の法令で消費者の利益を保護することができる等と認められるもの
なお、法律上はクーリングオフできない契約であっても、業者が独自にクーリングオフ制度を定めている場合は、それに従い解約することができます。(例:大手通販会社のカタログショッピング)


eクーリングオフへのお問い合わせはこちら
eクーリングオフへのお問い合わせはこちら